ナナムイの神々を抱いて 宮古・池間と佐良浜の祭祀/【セブンネットショッピング】

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沖縄県宮古島市で池間島の池間、伊良部島の佐良浜では年間に数多くの祭祀が行われる。佐良浜はもともと池間の分村として誕生し、祭祀を共有し、宮古島の西原と併せて「池間民族」とも称される。その池間のユークイ(1985年)、動物供儀(1988年)、佐良浜のカーニガイ、ムズビューイウサギ(1993年)の祭祀を取材し、その写真と共に祭祀の様子を紹介。糸満の漁業に携わる女性や浦添市小湾の字誌に関わり、多くの女性を取材研究してきた著者が現代の祭祀の役割とつながりを考える。法政大学沖縄文化研究所[監修]叢書・沖縄を知る以下本書「序章 よみがえる祭祀」より抜粋(前略)夜籠りをする麦の豊作と感謝の祭祀引き続き三か月後の一九九三年旧暦四月二七日から二八日(新暦の六月一六日から一七日)の二日間、夜籠りのある「ムズビューイウサギ」(麦の収穫と感謝願い)を体験した。二週間の小湾調査を控えて、佐良浜を先行する日程を組んでいた。ユーグムイ(夜籠り)をするモトムラのウフンマヤー(大母宅)へ直行する。顔なじみなったツカサンマたちは、あたたかく迎えてくださるが、張り詰めた空気に圧倒される。部屋いっぱいにンマダリ(麦の神酒)が、ナナソジャラ(小皿)五八枚と、ウフジャラ(大皿)、ナカジャラ(中皿)に盛りつけられ、深夜の祭祀は最高潮に達する。カカランマ(神歌を歌い神がかりする神役)が、両の手を合わせると、神々と対話するという佐良浜独自の「オヨシ」を歌い出す。すぐ目の前のカカランマの顔に苦痛のような、法悦とも思える表情が表われると、その声は高く、低く、つぶやきに変わり、体が左右に揺れ出す。「カカランマのオンステージ」と例えられるこれが憑依の様子なのだろうか。約二時間カカランマのオヨシは続いた。夜籠りが明けたら、ナナムイと各拝所での願いを滞りなくすませ、ウムクトゥマサイ(知恵の勝り)を得て祭祀は終了する。神酒の甕と供え物のすべてが両ムラのウフンマ宅に届けられ、祭祀に関わったすべての人に神様からの贈り物として分配され、集落中が豊穣に満たされる。祭祀は終了し、私は宮古空港へ急ぎ、浦添市小湾の仕事場での聞き取りの数日を過ごしたのであった。池間と佐良浜の祭祀をとおして、神願いによる島人の精神的再生力と地域共同体の紐帯に注目していきたいと思う。
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