葉山嘉樹・真実を語る文学/【セブンネットショッピング】

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葉山嘉樹(はやまよしき、1894?1945年)は福岡県京都郡豊津村(現みやこ町)生まれ。プロレタリア文学の代表的作家で、主要作品に『セメント樽の中の手紙』、『海に生くる人々』、『移動する村落』など。『セメント樽…』は一時期教科書に取り上げられたかで、若い人のほうがよく知っているようだ。 編者・三人の会(堺利彦・葉山嘉樹・鶴田知也の三人の偉業を顕彰する会の略称)は、1956年に堺利彦顕彰会としてみやこ町で発足、昨年話題になった黒岩比佐子の『パンとペン──社会主義者・堺利彦と「売文社」の闘い』(講談社)にも取材協力をしている。本書は、昨年11月に同会がみやこ町で開催した講演会「葉山嘉樹と現代」の記録をベースに、その全体像と魅力を伝えるため主要な論文・エッセイなどを併せ、初めての葉山嘉樹論集として編んだもの。序文は佐木隆三氏にいただいた。 とりわけ、巻頭の楜沢健氏(文芸評論家、『だからプロレタリア文学』〔勉誠出版〕など)講演「だから、葉山嘉樹」が面白い(私は講演を聴いてすぐに、70年代刊行の『葉山嘉樹全集』全6巻〔筑摩書房〕を古書価1万円程で買った)。これは「『蟹工船』よりも『セメント樽の中の手紙』の方が断然、今の時代にぴったりのはずだ」とする同氏が、葉山がプロレタリア文学の範疇を超えて世界文学につながる作品を生み出したことを明らかにした上で、社会的格差や貧困が新たな様相のもとに問題となっている現代でこそ読まれるべきだとして、葉山嘉樹の現代性に焦点を当てたもの。丁寧・懇切な語り口の中に、理不尽な時代や社会に対して「口を噤んではいけない」という強い想いが感じられ、ぐいぐい惹き付けられる。 1944年、葉山は開拓移民として「満州」に渡り、45年10月、引き揚げ列車の中で病死した(52歳)。一時期船員であったことからその足跡は日本各地に残り、室蘭市・岐阜県中津川市・長野県駒ケ根市、それにみやこ町に葉山嘉樹文学碑がある。本書タイトルは、中津川市とみやこ町の碑に彫られている「馬鹿にはされるが真実を語るものがもっと多くなるといい」(葉山の好きだった言葉)から取った。
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